出穂が近づいた稲の穂肥・水管理
こんにちは。ぼくです。
7月も下旬に入り、飛騨の水田では出穂期が少しずつ近づいてきました。今週から来週にかけて、穂肥のタイミングと灌水・排水の判断が、その後の収量と品質を大きく左右する時期になってきます。気温も高まっていますので、水管理は特に丁寧に見ていく手もありますね。
穂肥は「葉色」と「気象」で見極める
穂肥の施用時期は、一般的には出穂の10〜14日前といわれています。でも実際には、その圃場の成育状況と天候予報を組み合わせて判断するのが確実です。
ぼくのおすすめは、葉色板(SPAD値計測器など)を使った判定です。
- 葉色値が30〜32程度 → 穂肥を施用してよい時期
- 葉色値が28以下 → 窒素不足の可能性あり、施用を急ぐ
- 葉色値が35以上 → 窒素が充分、施用を控える
飛騨の気候では、この時期の気温が日中で30℃を超える日が増えてきます。気温が高いほど登熟が進みやすいため、穂肥を施用したあとの気象予報も一緒に見ておくと判断がしやすいですよ。
高温期の灌水・排水で落ち穂を減らす
この時期の水管理で最も気をつけるのが、過度な乾燥と過湿のどちらも避けることです。
出穂期前後は、根の吸水能力が低下し始める時期。それなのに気温が高いと、圃場の水が蒸発しやすくなります。結果として、茎葉の水分不足が起き、出穂や開花が不安定になりやすくなるわけです。
ぼくがみている管理のコツは:
- 出穂7日前までは「間断灌水」(3〜5日周期で一度切る)で根を刺激
- 出穂期以降は「浅水管理」(3〜5cm の深さを保つ)で、根の酸素供給を確保
- 夜間の気温が15℃以下に下がる日が続く場合は、水を少し深めにして、冷気から穂を守る手も
飛騨の山間地は、昼夜の気温差が大きいのが強みです。その特性を生かして、気象予報を見ながら水管理を調整するのが、地域に合わせた最適な方法だと思います。
出穂期周辺の病害虫対策
気温が高いこの時期、いもち病やイナヒゲナガアブラムシの発生が増える時期でもあります。特にぼくが気をつけるのは:
穎花(えいか)いもち:出穂直前〜開花期に発生しやすい。被害を受けると精米時に着色粒が増えます。予報に基づいた早めの防除が効果的です。
イナヒゲナガアブラムシ:高温・乾燥気味の時期に数が増えやすい。吸汁被害で稲の登熟が阻害されるため、このタイミングでの観察が大事です。
防除の判断には、ラベルの登録内容を確認のうえ、お近くのJAや地域の病害虫防除所の情報を参考にするのがおすすめです。地域の発生予察情報は、タイムリーな対策を決めるのに欠かせませんからね。
週間予報を活用した準備を
今週の気象は、気温が高めで、降雨の時期が限られているようです。来週にかけても同じ傾向が続く見込みなら、穂肥施用のタイミングを少し早める選択肢もあります。
ぼくからの提案は、地域の気象予報サービス(農業気象情報など)をこまめにチェックすることです。10日先までの気温・降水量が見えるだけで、穂肥のタイミングや灌水の計画が立てやすくなりますよ。
まとめ
これからの2週間は、稲の運命を決める大事な時期です。葉色判定と天気予報を味方に、落ち穂のない、良い収量につながる管理を願っています。何か判断に迷うことがあれば、地域の営農指導センターや農業改良普及所に相談するのも、確実な方法だと思いますよ。
ぼくは引き続き、飛騨の農業を応援していますね。
あなたの発信、ここで一緒に届けませんか。
ノウカノ・ジャーナルは、農家さんの日々の発信(Instagram・X・note・YouTubeなど)を、ご本人の許可のもと引用・紹介するメディアです。出典・お名前・リンクを添え、フォロワーの少ない投稿も「同業者の役に立つ知見」として届けます。
「うちの取り組みも紹介してほしい」という方は、まずはノウカノLINEに一言くださいね。