夏から始める秋冬野菜の土づくり
夏野菜もそろそろ終わりに向かう今この時期。ぼくたち農家にとって大事なのは、秋冬野菜に向けた土づくりの準備なんです。7月から8月にかけて、気温が高く微生物の活動が活発なこの季節を活用することで、秋冬野菜が育ちやすい土に仕立てることができます。輪作と緑肥という2つの柱を組み合わせることで、地力を回復させながら、持続的な農業が実現するんですよ。
輪作で土を休める工夫
夏野菜を作った畑。そのまま秋冬野菜に向かうのではなく、ここが輪作の出番です。
- ナスやキュウリを作った場所には、そこから3年は別の科の野菜を配置する
- 土の中の病原菌や害虫が減り、同じ病気が繰り返される「連作障害」を防ぐことができます
- 飛騨・岐阜の涼しい地域なら、秋冬野菜は白菜・大根・チンゲン菜などアブラナ科が中心になることが多いので、この時点で緑肥をはさむ工夫も見えてきます
2〜3年の長期スパンで全体図を描くと、毎年の土の状態が安定しやすいんです。
緑肥作物で有機物と窒素を補給
夏野菜を片付けた畑に、ここで活躍するのが緑肥です。ぼくたちが実践している例をいくつか紹介しますね。
- クローバー:秋口に秋冬野菜の畑に直接すき込める。窒素固定菌と一緒に土に帰る
- ソルゴー(高粱):背丈が高く、根が深く、有機物の量が多い。8月中に播種して9月に秋冬野菜のための準備ができます
- ヘアリーベッチ:冬越しする種類。秋から冬、春先にかけて土を保護しながら有機物を蓄積させます
これらは「ラベルの登録内容を確認」した上で、自分の畑の条件に合わせて選ぶ形になります。緑肥を選ぶときの判断軸は、秋冬野菜の播種・定植時期までに、どの程度すき込み時間が必要か、という点。急ぐなら背丈が低く分解が早い種、時間があれば背丈が高い種、という選び方もあるんです。
微生物活動が活発な夏〜秋への有機物投入
今この時期(7月)に有機物を入れておくと、8月の高温で微生物が活発に働き、分解が進みます。
- 牛糞堆肥や豚糞堆肥:十分に熟したものを選ぶ(未熟なものは根傷みの原因に)
- モミガラ炭:保水性と通気性のバランスを改善
- キノコの廃菌床:窒素が豊富。地域によっては手に入りやすいかもしれません
「この堆肥、本当に熟してる?」という迷いがあれば、一度に全面施用するのではなく、試験的に一部で使ってみる手もあります。秋冬野菜は育苗から播種まで時間があるので、その間に堆肥の効き具合を見て調整することができます。
土の団粒構造を意識する
飛騨・岐阜の土は、酸性に傾きやすい傾向。秋冬野菜前のこの時期に、土の酸度と団粒構造をチェックしておくと、その後がずっと楽になります。
- 団粒構造:有機物が豊富だと、土の粒が適度に集まり、空気と水の通りが良くなる
- 酸度調整:必要に応じて石灰を入れるなら、秋冬野菜の3週間以上前に施用して馴染ませるのがよさそう
微生物の活動が活発な今、堆肥やすき込み作物との相乗効果で、団粒構造は急速に改善されます。
記録をつけることの価値
ぼくたち農家にとって、毎年の土づくり計画を記録しておくことは本当に大事。
- 今年はどこにどの野菜を作り、どの堆肥を入れたか
- 翌年、同じ場所の野菜の育ちはどう変わったか
- 3年目、4年目の輪作全体の効果はどう出たか
これらの記録が、自分たちの農業の「教科書」になるんです。
あなたの発信、ここで一緒に届けませんか。
ノウカノ・ジャーナルは、農家さんの日々の発信(Instagram・X・note・YouTubeなど)を、ご本人の許可のもと引用・紹介するメディアです。出典・お名前・リンクを添え、フォロワーの少ない投稿も「同業者の役に立つ知見」として届けます。
「うちの取り組みも紹介してほしい」という方は、まずはノウカノLINEに一言くださいね。