水稲の出穂期、株の体力を整える1週間
ぼくの観測では、岐阜・飛騨の平坦部ではすでに穂が出始めており、山間部でも今週中に出揃いそうです。ここからが稲作で最も大事な1週間。受粉が成功するかどうかで、秋の収量がほぼ決まります。
高温に負けない開花を
日中気温が35℃を超える日が続くと、受粉不全(実が入らない)のリスクが高まります。ぼくが見ている限り、ここ数年のトレンドでは8月中旬の高温は避けられません。いま大事なのは、稲が持っている体力を開花・受粉に集中させることです。株元が弱まっていないか、葉が枯れ込んでいないか、圃場を歩いて確認する手があります。
穂肥のタイミングを逃さない
出穂の3~5日前が穂肥(ほごえ)を効かせるチャンスです。すでに穂が出ている圃場なら、肥料の出番はほぼ終わり。まだ出ていない圃場なら、今週中に施用する方が良さそうです。量は茎数や葉色で判断—茎が詰まってみえるなら控えめに、黄ぼけしていれば多めに。ラベルの登録内容を確認のうえ、地域のJAや営農指導員に相談する手もあります。
穂いもちの前兆を見つける
湿度が高い朝方、圃場に出てみてください。葉に褐色や黒い斑点が出ていないか、穂の下部がぬめっていないか、ぼくが気になるポイントはそこです。穂いもち(穂の病気)は一度出るとあっという間に広がります。その場合は速やかに防除し、ラベルの登録内容を確認して施用してください。
水管理の加減が試される時期
浅水にしすぎると根が弱まり、穂が出ても開花が揃わないことがあります。かといって深水は蒸れを招きます。この時期のコツは、朝の気温が上がる前に軽く落水し、日中の水温上昇を穏やかにする—そんな工夫があると、受粉性が高まるという報告も聞きます。地域の気象や圃場の排水性に合わせて、微調整する手が有効です。
来週が分岐点
出穂から開花・受粉を経て、登熟期へ入ります。ここからは穂が白くなり、1粒1粒が大きくなる様子が見えます。その過程で穂の色が褐色に変わっていく—その変化が正常に進むかどうかが秋の品質につながります。毎日、圃場を見て、稲の様子を観察する癖をつけておくと、トラブルが起きたときの対応がぐっと早くなりますよ。
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